「心と指が完全に一致し、どんな音楽でも自在に操ることができる真の音楽家」(グラモフォン誌)と称賛され、2022年ヴァン・クライバーン国際ピアノコンクール審査員長特別賞受賞の、日本とフランスが育てた気鋭のピアニストのコンサートを開催します。
◆演奏動画
チャイコフスキー(プレトニョフ編)/組曲「くるみ割り人形」より行進曲→こちら
チャイコフスキー(プレトニョフ編)/組曲「くるみ割り人形」よりトレパーク→こちら
■プログラム■
ラモ―/新クラヴサン組曲 ト調
ベートーヴェン/15の変奏曲とフーガ 変ホ長調(エロイカ変奏曲)
ラヴェル/高雅で感傷的なワルツ
チャイコフスキー(プレトニョフ編)/組曲「くるみ割り人形」
■田所光之マルセル氏のプロフィール■
2021年のエリザベート王妃国際コンクールのセミ・ファイナリスト、モントリオール国際音楽コンクールのファイナリストを経て、2022年はヴァン・クライバーン国際ピアノコンクールでジョン・ジョルダーノ審査員長特別賞、サンタンデール国際ピアノコンクールでは第3位を受賞。これまでウラル・フィルハーモニ管弦楽団、フォートワース交響楽団、ワロニー・ロイヤル室内管弦楽団などと共演している。
日本人の父とフランス人の母の間に生まれ、多様な文化の中で育った幼少期は、田所の音楽観に多大な影響を与えた。名古屋市立菊里高等学校音楽科卒業後、パリ国立音楽院に満場一致の首席で入学。そしてJ-F.エッセール、F.ボファールの両氏に師事し、行われたドビュッシー国際コンクールでは第 2 位を受賞。ほかにも数多くのコンクールで受賞を果たしている。同音楽院を卒業してからは、エコール=ノルマル音楽院に奨学生として入学し、R.シェレシェフスカヤのもとでさらに自らの音楽に磨きをかけている。
ほかにもO.ガルドン、M.ラフォレ、A.ロマノフスキ、海老彰子、田島三保子、鈴木彩香、長野量雄、水村さおりの各氏にも師事。
☆ご本人からコメントを頂きました!(1/20 up)
来月2月11日に埼玉県ふじみ野に2023年11月にオープンしたステラ・ウェストで「オール・バレエ・プログラム」のリサイタルを行います。このプログラムは僕が大好きな曲ばかりを集めたプログラムです。 20世紀を代表するバレエ・ダンサー、ジョージ・バランシンは「ダンスは可視化された音楽である」と言いました。ダンスやバレエは「見ているだけで音楽が聴こえてくる」ということです。僕は逆の視点から、「音楽は、聴いていると何か見えてくるもの」だと思っています。 バレエ音楽を聴いていると、頭の中にいろいろなイメージがわいてきませんか?きっと皆さまにとっても楽しみやすい音楽だと思っています。 実はこのプログラムは、僕自身の自己紹介のようなプログラムで、どなたでも気軽に楽しんでいただける内容になっております。以下、作品を説明します。 ◎ラモー:新クラヴサン組曲 ト調 ラモーは誕生日が僕と同じ9月25日で、とても親近感を感じている作曲家です。彼は曲集の中から2曲を、後にオペラ=バレエなどに編曲しています。「未開人」「エジプトの女」等、さまざまなタイトルがつけられており、なかでも「めんどり」は、楽譜に「コッコッコッコ…」と書かれているのです。先程の「見えやすい」ということに直結する作品で、かなりロックで自由な音楽です。 チェンバロ(クラヴサン)のために書かれた曲を、ラモーが作曲した当時は存在しなかった現代ピアノで演奏することは、様々なことを考えさせられます。例えば、チェンバロは基本的に音量の変化をつけることができません。その場合、音量の変化をつけられる楽器とは時間の扱い方、アーティキュレーション等の表現が全くかわってきます。あえて現代ピアノでも強弱をあまりつけずに、チェンバロの再現のように演奏することもできますが、僕は楽譜を研究した上で、ラモーがもし現代のピアノを弾いて作曲していたらこうするのではないか、という方向で音楽をつくっていきます。そういう意味で、チェンバロの曲を現代ピアノで演奏することは、とても自由度が高いと思います。 ◎ベートーヴェン:15の変奏曲とフーガ 変ホ長調(エロイカ変奏曲) この曲の主旋律は、以前に作曲したコントルダンスWoO.14-7や、バレエ音楽(プロメテウスの創造物)などの踊りをテーマにしている作品を引用しています。ベートーヴェン自身が、「これまでとは全く新しい手法で作曲した作品である」と語っており、実際に「変奏曲」でありながら、主題がすぐに出てこず序奏があったり、最後にはフーガがあったりとかなり挑戦的な作品です。 ベートーヴェンというと、厳格な巨匠が弾く作品、というイメージを持っている方も多いですが、この曲は「遊び」があり、希望をもって、様々なことに挑戦している作品です。僕はベートーヴェンのこういう面が大好きです。楽譜を読み込めば読み込む程、喜劇やドラマを見ているように楽しんでいます。 ◎ラヴェル:高雅で感傷的なワルツ ラヴェルはこの作品の初演後、「アデライード、または花言葉」と題して自らバレエの台本を書きました。1820年前後の、パリの高級娼婦のアデライードの館が舞台の、ロマンティシズム溢れる官能的な作品となっており、ラモーやベートーヴェンとは全く違った世界観が見えてきます。 ◎チャイコフスキー(プレトニョフ編):組曲「くるみ割り人形」 ロシアの名ピアニスト、ミハイル・プレトニョフがチャイコフスキーのバレエ曲から7曲選んでピアノ用に編曲したもので、チャイコフスキーの音楽には特別な思い入れがあるので、プログラムの最後を飾るに相応しい作品だと思って選びました。原曲の忠実な再現よりも、ピアノの良さを最大限に生かすことに焦点を当てた、かなりピアニスティックで技巧的な編曲となっています。 今シーズンはこのバレエ・プログラムをフランス、ドイツ、ロシア等の様々な場所で弾いてきましたが、次のリサイタルからは違うテーマでのプログラムになります。 そして今回、このプログラムを日本で最後にふじみ野で演奏できることを心から嬉しく思います。 皆様もどうぞお楽しみください。 田所光之マルセル |
令和7年2月11日(火・祝)
14:00 開場 ※14:10〜公開レッスンあり
15:30 開演
ふじみ野ステラ・ウェスト ホール
一般 3,000円
学生 1,000円
※未就学児入場不可
ふじみ野ステラ・ウェストおよびふじみ野ステラ・イーストの窓口
オンラインチケットサービス(https://p-ticket.jp/fujimino/)
日本環境マネジメント株式会社
合同会社ノヴェレッテ
ふじみ野ステラ・ウェスト Tel 049-261-0648